片側遊離端欠損インプラント補綴の咬合支持域における咬合力の動態
O-50 片側遊離端欠損インプラント補綴の咬合支持域における咬合力の動態
Occlusal force distribution with dental implants at each occlusal-supporting area in the free-end edentulous area
○ 東 高士,濱川 知也,福井 直人,久野 敏行,浅野 聖子
○ HIGASHI T, HAMAKAWA T, FUKUI N, KUNO T, ASANO S
NPO 法人埼玉インプラント研究会
NPO Saitama Implant Association
Ⅰ目的: 片側遊離端欠損症例において,固定式のインプラント補綴により顎位を保持し,患側の最後方歯を保護することが報告されている.今回,片側遊離端欠損症例のインプラント補綴治療が,アイヒナーの各咬合支持域における咬合力にどのような影響を与えるのかを術前術後で比較した.
Ⅱ材料および方法: 下顎片側遊離端2歯欠損にインプラント補綴を行った3名の患者を対象とした.咬合力検査はGC社製デンタルプレスケールオクルーザーシステムを用い,デンタルプレスケールは50H・タイプR・サイズLを使用した.上顎および健側下顎歯列すべて天然歯である3名の患者において,術前術後に最大咬合力を測定した.また,アイヒナーの各咬合支持域において,全歯列に対する咬合力分布の動態を比較検討した.
Ⅲ結果: 片側遊離端欠損症例にインプラント補綴を行った3名の患者の患側の小臼歯咬合支持域において,咬合力および咬合力負担割合は減少していた.また,健側の咬合支持域の咬合力および咬合力負担割合も減少を認めた.
Ⅳ考察および結論: 下顎片側遊離端欠損症例におけるインプラント補綴は,患側の小臼歯咬合支持域と健側の臼歯部咬合支持域において,咬合力の負担を軽減することが明らかとなった.本結果は,従来の咬合紙における咬合検査からは評価できないと考えられた.今後インプラント治療の術後評価に咬合力検査を行う意義について,被験者数を増やして検討を加える予定である.